ホームレス東アジア交流日本側実行委員会
この度、私たちは、「居住の権利のためのアジア連合」(ACHR、本部バンコク)の資金援助を受けて、韓国、香港、日本の野宿者が互いに交流を深め、経験と知恵を学びあう「ホームレス東アジア交流〜East
Asia Exchange
〜」を実施することになりました。
これは従来の学者・支援者のみによる交流ではなく、日本、韓国、香港の野宿者自らが、実際にそれぞれの国を訪れ、交流を深め、経験を学ぶ点にその特色があります。各国の仲間の歩みからお互いに学び会い、エネルギーを受け、励まし合う。その成果をもとに、人間として当たり前の「居住」という権利を、アジアの仲間とともに取り返していこう、というものです。
【野宿者が直面する状況】
長引く景気の低迷から、大都市はもとより全国各地の地方都市においても、野宿を余儀なくされる人々が急増し、その数は少なくとも3万人にも達し、大きな社会問題となっています。これに対しては、国も問題点がありながらも、「自立支援事業」を立ち上げ、遅まきながら対応し始めました。
しかし野宿を余儀なくされた人々にとって、現実の社会は、まだまだ非常に厳しいものとなっています。多くの野宿者は、食べるものも着るものも満足にないまま、差別と偏見により、これまで生活してきた公園や駅構内から追い出され、人との交流を絶たれ、社会から断絶した状態に置かれています。
そうした中、各地で暮らす野宿者が、「野宿の仲間の命は仲間の手で守ろう」との考えから、自分自身を取り巻く社会に対して、当事者自ら積極的にかかわろうとする動きが起きています。その当事者としての意識は今、地域の垣根をも越えようとしています。
東京の仲間が名古屋にかけつけ、名古屋の仲間が大阪にかけつける。ほかの街で暮らす仲間との交流を深め、ほかの街の問題を知り、それを自らが生活する街にフィードバックして考える。こうした横のネットワークはまさに、野宿当事者自らが、人間として当たり前の「居住」という権利を、仲間とともに主体的に取り返そうとする動きにほかありません。
「ホームレス東アジア交流」もまさにこの国内での動きの延長線上にあります。韓国の、香港の、そして日本の野宿者を取り巻く社会の問題点を、各国の当事者が共有し、それぞれが直面する問題に置き換えて、社会に対して働きかけていく。
東アジア交流は、私たちの生活するこの社会を変えていくための取り組みです。
【目的とプログラム】
1)お互いの活動と直面する課題の共有化
2)政治的、社会的、経済的な背景が異なる各国が、それぞれの状況の中でいかに闘っているかを学び合う
3)地域レベルでの連帯行動の実現に向けた下地づくり
4)排除反対に向けた東アジアネットワークの構築
5)ホームレスのエンパワーメントのための共同宣言の作成
以上の目的を達するため、まずは3月、日韓合同企画として、相互交流プログラムを進めます。日本の仲間が韓国へ渡り、韓国の仲間が日本を訪れるというもので、公園や路上で生活する当事者自身が、飛行機に乗り、海を越えて、ソウル、名古屋、渋谷などの野宿者の状況や取り組みを学びます。
(香港との交流プログラムは6月−7月頃の予定)
日程:3月19日から日本側10人(当事者5、支援者+通訳5)が、4泊5日で韓国ソウル及びテジョンを訪問。続く3月23日から、日本側の帰国にあわせ、韓国側10人(当事者4、支援+通訳6)が4泊5日で日本を訪れます。
韓国では、ソウルの路上生活の実態を視察するとともに、居住権の実現を目指して闘ってきた貧困住宅運動などの豊かな経験を学びます。日本では、名古屋、東京の公園で日本の仲間と一緒に寝泊まりし、当事者との経験交流を行います。
なお、日本・韓国から香港、及び香港から日本への訪問は6月−7月の予定で調整しています。
さらに相互訪問で学んだことを生かすため、ワークショップを検討しています。7月上旬に韓国および香港から各国7人が日本を訪問し、成果の全体化と今後の協力態勢の構築に向けた話し合いを持つ予定です。
【賛同・参加のお願い】
これまで野宿者の問題を、自分たちとは別次元の話だと考えてきた人も多いかと思います。しかし差別と偏見を生み、野宿者から人間としての権利を奪っているのは、この社会に生きる私たちすべての責任でもあります。また別の見方をすれば、倒産やけが、病気などちょっとしたきっかけで誰しも、職を失い住む場所を奪われる可能性は秘めています。
この問題は決して他人事ではありません。私たちになにができるのか、この社会を構成する当事者として、なにをすべきなのか、ぜひ一緒に考えてください。
私たち実行委員会にとって、実際に交流に出向く各地の野宿者・支援者の積極的参加はもちろん、準備段階・取りまとめ段階における実に多くの方々の協力が不可欠です。
具体的には、韓国語や英語の通訳・翻訳、食料品などの提供、案内ビラなどの配布、車の運転、資金のカンパなど、さまざまな支援の方法があります。ホームレス問題・貧困問題に関心を持たれる方だけでなく、すべての皆さんの参加・ご協・ご支援を切にお願いします。
2000.1.24
「ホームレス東アジア交流・日本側実行委員会」呼びかけ人(五十音順)
青木繁幸(神戸の冬を支える会)
稲本悦三(アジア居住ネットワーク)
小田川華子(きょうと夜回りの会)
木村正人(のじれん)
下川雅嗣(のじれん/ACHR)
穂坂光彦(日本福祉大学/ACHR)
本田次男(きょうと夜回りの会)
松原秀晃(釜ヶ崎パトロールの会)
安江鈴子(野宿者・人権資料センター)
山北輝裕(笹島診療所)
湯浅誠(のじれん/フードバンク)
連絡先:090-1796-1828、myuasa@ha.bekkoame.ne.jp(湯浅)
【参加・賛同要項】
派遣参加/国内協力(通訳、翻訳、広報等々)希望者
090-1796-1828またはmyuasa@ha.bekkoame.ne.jp(湯浅)までご連絡下さい。
賛同団体/賛同人募集
ACHRから7人枠の財政支援を得ていますが、日本国内での交通費や事前準備、資料代金、取りまとめなどに経費がかかります。不足分を自主財源で補いたいと思っていますが、現在その自主財源は非常に乏しい状態にあります。ぜひご協力よろしくお願いします。
団体賛同:一口5000円
個人賛同:一口1000円
賛同金振込先:00170-3-29491「野宿者・人権資料センター」(必ず「東アジア交流賛同金」と明記して下さい。また賛同人として名前の公表を控えたい方はその旨お伝え下さい)
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