1.日弁連と大阪弁護士会の共催で死刑問題シンポジウムを行います。(入場無料) 【日 時】 2003年1月18日(土)午後1時〜同5時 【場 所】 大阪弁護士会館 大阪市北区西天満2−1−2 TEL 06−6364−1227(委員会担当室) 【パネリスト】保坂 展人 衆議院議員(死刑廃止を推進する議員連盟事務局長) 石塚 伸一 龍谷大学教授(刑事政策) 安田 好弘 弁護士(日弁連死刑制度問題対策連絡協議会幹事) 2.日弁連の「死刑制度に関する提言」 2002年11月、日弁連は、理事会の承認の上、死刑執行停止法案を中心とする「死刑制度に関する提言」を発表しました。日弁連が死刑制度について本格的に提言したのは、これが初めてです。 この「提言」の内容は、日弁連は、死刑制度の存廃について国民的議論を尽くし、死刑制度に関する改善を行うまでの一定期間、死刑確定者に対する死刑の執行を停止するという時限立法(死刑執行停止法)の制定を提唱する、そして日弁連は死刑存廃論議を提起するなどの取り組みを推進する、というものです。(「提言」の趣旨と提言する死刑執行停止法要綱は後記のとおりです)。 3.死刑問題をめぐる動き (1)2002年1月1日現在、死刑廃止国・地域は欧州を中心に111となり、存置国・地域84を上回っています。経済的先進国のうち死刑存置国は、アメリカ(州によっては廃止)と日本のみとなりました。国連総会は死刑廃止条約を決議・発効させ、国際人権(自由権)規約委員会は、日本政府に「死刑廃止に向けた措置をとること」等を勧告しています。そして、欧州評議会は、来日して「司法人権セミナー」を開催し、アメリカと日本に対して、死刑執行の停止と早急に死刑を廃止することを促す決議をしました。 こうして、今、日本の死刑制度が国際的に問われています。 (2)国内でも、超党派の国会議員による「死刑廃止を推進する議員連盟」(2002年7月現在120名)は、2001年10月の亀井静香会長の就任以来、精力的に活動を始め、2002年7月と9月には、日弁連との協議がなされました。そして、2003年の通常国会には議員立法の提出が予定され、その内容には、死刑執行停止の時限立法も含まれていると伝えられています。今回の日弁連の「提言」とも共通するものがあります。 4.日弁連と死刑 我が国では、1983年から89年にかけて、日弁連の支援した4つの死刑確定事件について、再審による無罪判決がなされました。そして、1989年11月の執行の後、3年4か月の間、事実上死刑の執行を停止しました。 しかし、1993年3月に死刑執行が再開され、その際、日弁連会長は、死刑存廃問題について国民的論議を展開すべきであり、また、死刑に直面する者に対する権利保障が不十分で国連人権規約等に違反しているおそれがあるとして「死刑執行は差し控えられるべきである」という談話を発表しました。以来、ほぼ執行のたびに、同様の会長談話を発表しています。 今回の「提言」もこうした考え方に基づくものです。 5.シンポジウムの目的と内容 (1)今回の「提言」を実行するための第一歩が今回のシンポジウムです。日弁連は、死刑執行停止法案を中心とする日弁連の「提言」を広く市民の皆さんに知っていただき、自由に発言していただきたいと思っています。そして、「提言」の内容を豊かにし、「提言」を実行していくための参考としていきたいと思います。ですから、賛成・反対を問わず、自由に、死刑問題と日弁連の「提言」を議論していただくことが、今回のシンポジウムの目的です。 (2)パネリストの安田好弘弁護士は、自らも死刑事件を手がけられ、死刑問題については、日弁連でも第一人者と言われる方です。そして、パネリストの保坂展人議員は、死刑廃止を推進する議員連盟の事務局長として、次期通常国会に議員立法をするために、中心として活動されている方です。この2人の発言に対し、パネリストの石塚伸一氏が、刑事政策学者として、冷静かつ批判的に議論に加わります。会場からの質問や意見も受けたいと思いますので、是非とも多くの皆さんの参加をお願いします。 なお、会場の都合で、当日、先着200名様までとなりますので、予めご了承願い ます。 6.日弁連は、「死刑制度に関する提言」を実行するために、今年の5月と11月の2回にわたって、さらに大きなシンポジウムを予定しています。そのための参考にしていきたいと思いますので、多くの皆さんのご質問、ご意見をお寄せいただきますようお願いいたします。 日弁連の「死刑制度に関する提言」の趣旨 1 日本弁護士連合会は、死刑制度の存廃につき国民的議論を尽くし、また死刑制度に関する改善を行うまでの一定期間、死刑確定者に対する死刑の執行を停止する旨の時限立法(死刑執行停止法)の制定を提唱する。 2 日本弁護士連合会は、死刑制度に関して、下記の取り組みを推進する。 1) 死刑に関する刑事司法制度の改善 2) 死刑存廃論議についての会内論議の活性化と国民的論議の提起 3) 死刑に関する情報開示の実現 4) 死刑に代わる最高刑についての提言 5) 犯罪被害者・遺族に対する支援・被害回復・権利の確立等 日弁連の提言する死刑執行停止法要綱(骨子)案 1) 目的 この法律は、死刑制度の問題状況に鑑み、その存廃を含む抜本的な検討、見直しを行うため一定期間、死刑確定者に対する死刑の執行を停止するとともに、その間の政府・国会等の行うべき課題等を定め、もって刑事司法制度の改善、基本的人権の増進を図ることを目的とする。 2) 死刑執行の停止 政府は、前記目的を達成するため、一定期間、死刑確定者に対する死刑執行を停止する。 3) 停止期間中の政府・国会の行うべき課題等 (1) 政府は、死刑に関連する情報を最大限開示する。 (2) 衆参両院に特別委員会を設置し、あるいは政府部内に臨時調査会を設置する などして、これらにおいて、下記事項を含む現行死刑制度の諸問題について、公聴 会、参考人招致、調査派遣等、検討・審議を尽くし、死刑制度の存廃について合意形 成を図り、その結論を得るとともに、必要な改善を実施するものとする。 −記− ア 世界における死刑制度の動向 イ 死刑の犯罪抑止力効果および停止期間中の犯罪情勢の推移と死刑執行停止の相関関係の調査・検討 ウ 死刑に代わる最高刑のあり方 エ 殺人等の犯罪被害者遺族に対する支援、被害回復、権利確立のための対策のあり方 オ 死刑適用犯罪の削減 カ 死刑事件に関し誤判を防止するための刑事司法制度のあり方 キ 死刑に直面するものに対する権利保障、死刑確定者の処遇、死刑執行手続につき、国際人権(自由権)規約、国際人権(自由権)委員会韓国、拷問禁止条約、国連決議、国連人権委員会決議等の違反状態の解消のための対策 4) 死刑の執行停止期間 死刑の執行停止期間としては、上記の検討・見直し、国民的議論がなされるのに必要な期間として、必要な相当期間とする。 |
| 死刑問題シンポジウム 「日弁連の死刑執行停止法案をめぐって」 |