

2001年11月28日
市民のための司法改革を求める愛知の会 代表世話人 宇佐見大司
私たちは、昨年7月に市民のための司法改革を求める愛知の会を結成し、以後、裁判が市民の生活と権利を守る役割を十分発揮できるように、司法制度の改革と現行制度の下での改善を進めるための様々な活動をしてきました。
本年1月、4月及び本日、裁判所に対して、多くの改善要求を提出しましたが、市民のための司法改革を進める上で、弁護士・弁護士会が果たす役割も大きいと考えています。そこで、愛知の会に参加している諸団体や個人の皆さんから出された要求に基づき、以下のとおりの改善要求を行います。貴弁護士会が、これらの改善要求について、
@会として努力されること、
A裁判所等に要請し、また協議を進めて、実現に努力されること、
B貴会会員にこれらの改善要求と改善のために努力することを周知されるよう求めます。
一 裁判の公開について
裁判の公開を実質的に保障するために、口頭主義を徹底し、傍聴人にもわかる裁判活動を行ってください。特に、判決言い渡しについて、当事者の要望がある場合や多数の傍聴人が予想される場合等は、裁判所に対して、判決の理由の要旨を口頭で説明することを要請して下さい。
また、裁判官や代理人等の声が、傍聴席にもよく聞こえるようにするために、各代理人が努力するとともに、裁判所に対して、法廷での拡声マイクの設置・活用、証拠書類が見えるようにするためのOHP活用等の措置を要請して下さい。
二 市民に利用しやすい弁護士・弁護士会をめざして
1 弁護士会館正面の障害者用スロープをもっと緩やかな勾配にするとともにに、屋根を付けて下さい。障害者用トイレの案内をわかりやすくして下さい。弁護士会館と裁判所の連絡通路を車いすでも利用できるような改善策を検討してください。
2 乳幼児を抱えた者が、裁判所や弁護士会館を利用しやすいように、裁判所と協力して託児施設を設けて下さい。
3 栄法律相談センターでの相談を、予約のみでなく、当日受付も行うようにして下さい。栄法律相談センターのことを知らない市民が大勢います。さらに、広報してください。
また、丸の内法律相談センターは、裁判所に訪れたり、相談した人が、その足で相談できます。また、特に簡裁や家裁の手続は本人で行えることが多いので、法律相談をした後に、そのまま簡裁等へ行くことができます。かかる利点を考慮して、丸の内センターを存続させるようにして下さい。
4 モニター制度の充実とともに、意見書箱を置くなどして、広く利用者の意見等を集め、その結果に基づいて必要な改善を行って下さい。
5 弁護士の偏在を解消するように、具体的な計画を立てて実施して下さい。
三 弁護士会等における研修について
1 弁護士会の研修において、たとえば公害被害者や社会的弱者等の話を聞くなど、弁護士が人権侵害の実態を理解できる機会を設けて下さい。
2 刑事弁護研修として、元受刑者の話などを聞くことも取り入れて下さい。
3 国連人権規約委員会は、社会権規約に関する最終意見において、判事、検事、弁護士が人権規約の研修をすることを勧告しています。弁護士会における人権規約(自由権規約・社会権規約とも)の研修状況及び予定を明らかにして下さい。
4 今後ロースクールが開設されますが、ロースクールのカリキュラムにおいて、上記のような人権教育がなされるよう、大学等に要請して下さい。
四 調停の改善について
簡易裁判所や家庭裁判所の調停委員のなかには、紛争の実情を理解せず不適切な進行を行ったりする調停委員が少なくありません。弁護士会として、調停委員の選任や調停制度の改善について、裁判所に対して要請等を行ってください。
五 懲戒手続について
弁護士が、市民から信頼され、市民に支えられて活動できるようにするためにも、懲戒手続の改善が必要であると考えます。懲戒請求事件の審査手続において、外部委員に市民が参加する制度を検討してください。
市民のための弁護士・弁護士会の改善を求める
名古屋弁護士会に対する要請書 |