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アムネスティ・インターナショナル日本は、本日、死刑の執行があったという報道に接し、強く遺憾の意を表する。アムネスティは、日本政府に対し、これ以上の死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けた具体的な措置をただちに講じるよう要求する。

本日、死刑を執行されたのは、名古屋拘置所と東京拘置所に収監されていた二人の死刑囚であると報道されている。このうち名古屋拘置所に収監されていた死刑囚は、1979年から1983年にかけての保険金殺人事件で、1993年に最高裁で死刑が確定した。この判決では、裁判官の一人が、死刑執行を一定期間停止し状況の変化を見るなど、死刑制度自体の再考を促す補足意見を述べている。この事件の被害者の一人の兄は、彼を死刑にするのではなく、むしろ面会して対話を持ちたいと切望し、今年4月に高村法相(当時)に面会した際にも死刑の執行を取りやめるよう要望していた。

日本政府は、1998年に行われた市民的政治的権利に関する国際規約に関する第4回政府報告書の審査の際、明確に「死刑の廃止を目指した措置をとり、まず死刑適用犯罪を減少させること」また「死刑確定者の拘禁状態を人道的なものとすること」という勧告を受けている。しかしながら、日本の死刑制度には変化は見られず、依然として秘密主義に覆われており、1993年に死刑の執行が再開されて以来、執行がない年は一度もない。

今年6月の欧州評議会議員会議(フランス、ストラスブール)では、日本と米国に対して2003年1月までに死刑の停止または廃止に向けての措置を講じない場合、日本のオブザーバー資格を見直すとの決議がされた。世界の過半数の国ぐにでは、「死刑は野蛮な刑罰であり、その存廃に関する議論の余地はない」というのが共通認識である。しかし、日本政府はその場で、死刑は国内問題との理由で死刑を存続させる意思を明確に示していた。

アムネスティは最も基本的な生きる権利の侵害として死刑に反対している。また、死刑は残虐で非人間的、品位を傷つける取扱の最たるものであるとして、全ての処刑を停止し、これまでの全ての死刑を減刑し、死刑廃止に向けて必要な措置をとるよう日本政府に訴えている。1989年11月から1993年3月まで、事実上の死刑執行停止期間があったが、この間、死刑の執行の停止に特に強い反対は出なかった。

また、アムネスティ日本は、日本政府による今回の死刑の執行は、以下の点において極めて問題であると考えている。

国会閉会中で年末直前という時期に執行したこと。これは、執行がない年を作らない、また国会や海外からの批判の機会を避けようとする日本政府の意向を示していると考えられるとともに、死刑を廃止しようとする世界的な潮流に敵対する意思をも示している。

死刑執行にまつわる秘密主義が依然として続いており、家族や本人にさえ、執行の予定が事前に告知されず、本人や弁護人が救済のための最終手段を尽くすことを不可能にしている。

今回、東京で執行されたとされる死刑囚は、年齢が66歳であった。死刑に直面するものの保護の保障の履行に関する国連決議(44/162)の1(c)では、死刑執行の最高年齢を設けることとなっている。66歳という年齢は、この最高年齢
を考える場合にも十分考慮されるべき事情であるが、現在までに日本は最高年齢を設けていない。

名古屋の事件については、被害者遺族が執行を取りやめ、加害者とともに事件に向き合うことを望んでいるという状況であるにも関わらず、その機会を永遠に奪ってしまったこと。今回の被害者遺族にとっては、正義を回復する機会が失われ、二重の苦しみをこうむったことになる。

この事件の被害者の遺族は、今回の執行の知らせに対し、

「残念な気持ちで一杯だ。この執行で事件が終わりになったわけではなく、私たちにとっては終生続くものであり、逆効果でしかない。これまで執行しないで欲しいと法務大臣に要請してきたが、何も反映されていない。これからも死刑廃止に向けて活動していく。」

とのコメントを寄せている。

以上



◆アムネスティ・インターナショナル日本発表◆
「日本:死刑執行で奪われてしまった正義」