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       ※  http://www.nagoya-ben.or.jp/ より転載

1 名古屋刑務所は、本年10月4日、複数の刑務官が男性受刑者を制圧し、革手錠を使用して保護房に収容したところ、受刑者が死傷した事件が2件あったことを発表した。

2 新聞報道によれば、1件は、本年5月27日、入所時の身体検査を受けていた受刑者が職員につかみかかったため、刑務官らが制圧し、革手錠を使用して保護房に収容したところ、同日死亡した事件であり、もう1件は、本年9月25日、受刑者が刑務官と面接中激高し、詰め寄るなどしたため刑務官らが制圧し、革手錠を使用して保護房に収容したおり、腹痛を訴えたので診察をしたところ、腹部内出血があり手術をした(現在治療中)という事件である。

 そして、両事件について、現在、名古屋地方検察庁において捜査が行われており、名古屋刑務所は、両事件について刑務官が殴る蹴るの暴行を行っておらず、職務として許される範囲の制圧行為である旨説明しているが、捜査中であるということで刑務官の具体的な制圧行為については説明をしていないということである。

3 両事件の受刑者とも、複数の刑務官によって制圧され、革手錠の使用、保護房収容が行われている。

 革手錠は、革製の腰ベルトに腕輪2個が付けられたもので、被使用者の両手首を腰部の腹側あるいは背側で身体に密着して固定する戒具である。革手錠を装着されると、被使用者の両腕が上腕部分から手首まで全体として固定され、拘束の程度は極めて高いものである。保護房は、暴行等のおそれのある受刑者を収容する堅固な房であり、受刑者は24時間監視カメラにより監視されている。

 すなわち、制圧された受刑者が革手錠を装着され、保護房に収容されれば、暴行や自傷行為を行うことはほとんど不可能な状況にある。

 このような状態下の受刑者が死亡したり、内出血を起こしたとするならば、刑務官による制圧行為こそ、その原因であった可能性が高いと考えざるを得ない。仮に、刑務官による制圧行為が原因ではなかったとしても、受刑者の暴行や自傷行為を防止するために革手錠等を使用しながら、死亡、内出血という重大な結果が発生していることは、刑務所側の受刑者の扱い等の管理体制に問題があった可能性を否定できず、看過できない問題として、その原因究明を行う必要がある。

4 当会は、両事件についての事実関係調査が早期かつ徹底的に行われ、原因を解明されること及び今後二度とこのような事件が発生しないよう十分な対策が取られるよう強く要望する。

2002年(平成14年)10月9日

                名古屋弁護士会
                    会長  成  田  清

 

名古屋刑務所における受刑者の死亡事件等の
真相解明と再発防止を求める声明